漫画『ゴブリンはもう十分に強い』を読みました
『ゴブリンはもう十分に強い』
おととい注文した漫画が届いたので読みました。まずは紹介させていただきます。こちらは最新刊の3巻です。
- 作者: サラマンダ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/03/27
- メディア: コミック
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本作全体を通しての要点をまとめます。
以上です。もう少し説明が必要ですか?
- RPG的表現がパロディ満載で描かれており、読者が話を受け容れやすい
- 典型的でコミカルな設定から固有のリアルな世界観への導入がなめらか
- 安心させて落とす、落として安心させる、という繰り返しに惹き込まれる
- 各キャラクターの、表裏を見せつつも底を見せないところが愛着を湧かせる
- ともすればストレスになりうるシビアさを、かわいらしい画風で治めている
以上です。もう説明はありません。
気がつけばWeb小説のテンプレに追いつけなくなった
あ、もう私は現役じゃないんだ、と感じる瞬間があります。いわゆるなろう小説や各社の無料連載コミックの定型が、すでに私の知っているものではなくなっていたのです。
ジャンプも卒業してしまいましたし、アニメも見なくなってしまって、インプットが極端に少なくなりました。そんな消極的な状態で、異世界テンプレの新しい「暗黙の了解」を受け入れるのは難しいと痛感しています。
強調しますが、決して作品が悪いわけではありません。私が乗り遅れて損失を被っているだけなのです。結局、私は自身が「知っている」と感じられるような作品ばかり読むようになってしまいました。
もうゴブリンは弱くない
世界には当然レベルの概念があり、パラメータがあり、スキルがあり、キャラクターはそれを疑いません。主人公はすべからく特殊な能力を授かりますし、主人公自身がその展開を知っています。場合によってはどん底から始まることもあります。最強の能力を使って、あるいは辛い生い立ちを背負って、最終的には自分にとっての幸せを手に入れます。
勇者と魔王、彼らの仲間や側近、神や精霊、ただの村人や低級モンスターがいて、主人公はだいたいどれかのポジションに納まります。弱いと見せかけて強く、強いと見せかけて弱いのが常です。ゴブリンは弱いものです。しかし、もうゴブリンは弱くないのです。奇をてらっているのではなく、それが普通なのです。
本作は(一応)異世界転生ものではないのですが、現在読まれているような定型の流れを私に対して丁寧に導入してくれたような気がしました。タイトルや絵柄のおかげかもしれませんし、パロディを挟むスタイルがよかったのかもしれません。とにかく事実として、私にとって手に取りやすく、すんなりと世界に入り込めました。
何を話しているのかわからなくなってきましたが、とにかく本作はとても良いものです。おすすめです。D&Dから現代に至るまでのお約束です。とにかくゴブリンから始めましょう。